ミニ講座9回目,本日は「地形測量」分野を全部やりましょう!

▼動画です。

さて,地形測量とは,ミニ講義の今までの分野に相当する「基準点測量」で得られた基準点を元に,細部を測量し,数値地形図データを作成(または修正)する作業のことをいいます。

数値地形図データとは,コンピュータで扱えるようにデジタル化した地形図のようなものです。数値とはデジタルの意味,紙ではないためデータと付いてます。
地形図みたいな形状を表す座標データだけでなく,建物の種類などの内容をしめす「属性データ」も含まれているのが特徴です。

■現地測量

現地測量で作成する数値地形図データの地図情報レベルは,原則として1,000以下(つまり,250,500,1,000)となっています。ちなみにもっと大きな地図情報レベルの場合は「写真測量」でおこないます。

地図情報レベルってのは,いわゆる地図の縮尺の分母のことです。つまり,小さいほど詳細な地図ということになります。

現地測量では,現地でトータルステーション(以下,TS)またはGNSSによって地形,地物などを測定し,数値地形図データを取得していきます。ポチポチと1点ずつやっていくわけです。
で,この現地測量の中で,地形,地物などを測定し,数値地形図データを取得する作業のことを「細部測量」ともいいます。

1 TSによる細部測量

さて,TSによる細部測量ですが,基準点にTSを整置し,目標(地形や建物)までの距離と方向を同時に観測していきます。細かい話,「放射法」と「支距法」というのがあるんですが,理由がない限り放射法を使います。

それより大事なのが,このTSによる細部測量には「オンライン方式」と「オフライン方式」に大別できるってことです。

① オンライン方式

オンライン方式ってのはすごいですよ。現地で観測しながら観測データを取り込んで,タブレット端末で編集・点検さらには出力図の作成までできる方式です。現地で直接作図をして完成図を見ながら作業ができるので,作業効率が高いです。
ちなみに,このタブレット端末のことを電子平板っていいます。

② オフライン方式

普通の方法ですね。現地でデータの取得のみをして,事務所で編集・点検・出力をします。
現地を離れた後に不明な部分がある場合や,現地調査以降に生じた変化に関する事項を確認するため,補備測量が必要になることも。

2 TSによるTS点の設置

前述の通り,放射法では基準点にTSを設置するんですが,基準点がない場合もあるわけです。
そんなときは,「TS点」を設置して,TS点から観測することができます。
ちなみに,TS点を設置する場合,基準点にTSを整置し,2対回以上測定し,放射法により点を求めることになっています。

3 GNSSによる細部測量

GNSSを使って細部測量をすることもできます。この場合,RTK法もしくはネットワーク型RTK法が用いられることが多いですね。細部測量では観測する点がめちゃくちゃ多いですから,リアルタイムで観測結果が得られる方が利点があるからです。GNSS測量の方式については記事「1か月で間に合わせる!測量士補ミニ講座⑥GNSSによる基準点測量/GNSSの注意点/基線ベクトル」をご参考ください。
ただ,RTK法やネットワーク型RTK法ではリアルタイムで観測できるんですが,観測の開始時に初期化の観測をしなければならないので,観測中に衛星からの電波が途絶えたら,継続して基線解析を行うことができなくなります。

① キネマティック法またはRTK法による細部測量

キネマティック法またはRTK法による地形,地物などの測定は,基準点またはTS点にGNSS測量機を整置し,放射法により観測します。

観測は1セット。最初に既知点と観測点間において,点検のため観測を2セット行い,セット間較差が許容制限内にあることを確認します。確認後の2セット目の値を「採用値」とし,他点での観測を継続していく手順です。

② ネットワーク型RTK法による細部測量

ネットワーク型RTK法による地形,地物などの測定は,間接観測法または単点観測法によりおこないます。
単点観測法というのは,「電子基準点を基準とした放射法」のことで,観測点に1台のGNSS受信機があれば観測が可能です。

4 GNSSによるTS点の設置

例えば,細部測量をTSでやるって場合でも,GNSSでTS点を設置することもできます。

① キネマティック法またはRTK法によるTS点の設置

細部測量と同様,基準点またはTS点にGNSS測量機を整置し,放射法によりTS点を求めます。

ただし,ここからが違うのですが,観測は2セット。1セット目の観測値を「採用値」とし,2セット目の観測値は「点検値」となります。

つまり,細部測量では1セット目が点検値,2セット目が採用値となり,TS点の設置では1セット目が採用値,2セット目が点検値となるわけですね。ややこしい。

② ネットワーク型RTK法によるTS点の設置

こっちは細部測量と一緒です。間接観測法または単点観測法によりおこないます。

■等高線の計算

地形測量の分野では計算問題として等高線に関するものが出題されます。
ただ,これは相似の三角形で考えて,比例計算を用いれば答えはすぐ出ます。

下の図のイメージですね。

地形測量の分野はこんなもんです。



次回は「写真測量」の分野をやりましょう。「写真測量」だけでなく,「写真地図の作成」と「航空レーダ測量」についても踏み込みます。
ということで,「空中写真による写真測量」,「撮影」,「写真判読と現地調査」,「同時調整」,「写真地図作成」,それと「航空レーザ測量」まで一気にやります!

▲まとめ に戻る!▲

令和5年度アガルート受講生の土地家屋調査士試験合格率は63.41%(全国平均の6.56倍)

令和5年アガルート受講生の測量士補試験合格率は95.2%(全国平均の2.96倍)

令和5年度アガルート受講生の測量士試験合格率67.61%!(全国平均の6.56倍)

資料請求で講義とテキストの一部を無料でプレゼント!

1分で簡単無料体験(※会員登録後お申込みいただくと視聴できます)

資料請求で講義を無料体験