GWは測量士補受験生にとって,まとめて勉強できる良い機会です!
がんばりましょう。

ということで,本日は測量士補ミニ講座の第2回となります。

▼動画です!

■測量の基準

1 地球の形状

測量は「点」の位置を観測して,座標値として示す必要があります。
そこで,測量法では,地球上の点の位置は「地球の形に近似した回転楕円体の表面上における地理学的経緯度と標高(平均海面からの高さ)で表示する」と定められてます。

ちなみに,GNSS測量(いわゆるGPS測量)では,地心直交座標で示すことも。

この「地球の形に近似した回転楕円体」ですが,日本では「GRS80(Geodetic Reference System 1980)」を準拠楕円体として採用してます。

用語が混乱する方も多いので整理しておきますが,「回転楕円体」とは,地球の形を近似的に表したもの。で,その回転楕円体のうち,法律で基準として定められたものを「準拠楕円体」といいます。
この辺の用語の混乱を狙った過去問も多いです。

2 緯度・経度

赤道面と並行の左右の線を「平行圏」といい,別名「緯線」。
南極点と北極点を結ぶ上下の線を子午線といい,別名は「経線」です。

緯度は赤道が0°で,南北に90°。経度はイギリスにあるグリニッジを0°として,東西に180°あることになります。

ポイントは日本の場合。
日本は北半球に位置しているため,「南側の緯度が低くて,北側の緯度が高い」。
さらに,日本は北半球でも極東に位置しているため,「西側の経度が低くて,東側の経度が高い」。
これは絶対に押さえてください。

3 標高

超頻出です。
この図はしっかり押さえましょう。

図だけでなく,文章で図を説明されたときでも図をイメージできるようにしておくと良いです。

標高というのは平均海面からの高さのことです。
でも,測量はだいたい地上部。地上では直下に海面がありませんので,平均海面の高さは分かりません。
そこで,ジオイドです。
ジオイドとは,海面を陸地内部まで延長した「仮想」の面のことです。
仮想のジオイド高を調べることで,GNSS測量では楕円体高からジオイド高を引いて標高を求めることができます。

ちなみに,ちょっとマニアックですが,距離および面積は準拠楕円体の表面上の値で計算します。

4 地図の投影法

これは「地図編集」のところでくわしく見ます。
今回は飛ばします。

5 平面直角座標系

測量における平面の位置は,「平面直角座標系に規定する世界測地系に従う直角座標」で表示します。
数学の座標と異なり,平面直角座標では縦がX軸,横がY軸になります。いわゆる左手系。
で,重要なのが平面直角座標の原点(X座標=0.00m,Y座標=0.00m)ってどこ?というハナシ。
実は日本では平面直角座標の原点は19個あります。
さらに,平面直角座標系のいわゆる「座標値」というのは,この原点からの距離です。
日本においては,X座標の値は原点よりも北ならば正(+),南ならば負(-),Y座標の値は原点よりも東ならば正(+),西ならば負(-)となるわけです。

そもそもなんで19個も原点あるの?というと,平面直角座標系は正角図法である横メルカトル図法のため,角度は正しく投影されるが,距離については東西に離れるに従って誤差が増大していくという性質があるからなんですが,それは「地図編集」にまわします。

原点を19個用意しているのと同じ理由で,距離の誤差を押さえるために,平面直角座標系では「縮尺係数」を採用しています。
これも理解しにくくて苦手な方が多いのですが(専門書でも間違っているものがあります。),ポイントは2つ。

 ① 原点には0.9999の縮尺係数が与えられている。
 ② 原点からY座標が90km(90,000m)になるときの縮尺係数を1.0000としてる。

どうですか?原点が19個あったり,平面直角座標系には「9」が多いです。
で,②が特に大事なのですが,原点に与えられた0.9999の縮尺係数が最小値で,それからどんどん係数の値が大きくなり,Y座標が90km(90,000m)になるときに,ちょうど1.0000になります。(で,130kmでは1.0001になるのですが,これは覚えなくて良し。)

このポイント,さっそく次の「基準点成果情報」で使います。


■基準点成果情報

基準点成果情報というのは,基準点測量の測量成果です。
ネットで公開されていおり,緯度・経度や平面直角座標系の位置,ジオイド高や標高が書かれている,いわゆる成果表です。
この成果表を参考にして,基本測量や公共測量を行います。

で,測量士補試験では,この基準点成果情報から,基準点の平面直角座標系の符合(+-)と縮尺係数を求める問題が出題されます。まぁ厳密には違いますが,計算問題の1つとしてアガルートの講座「測量士補試験 | 2018合格目標 3時間で押さえる計算問題」では解説してます。

この問題のポイントは,基準点の原点からの位置をみることで符合を導き,Y座標の値(原点からの東西方向の距離)が90,000m未満かどうかで縮尺係数を導いていくことです。

つまり,基準点の緯度が原点より北ならば正(+),南ならば負(-),基準点の経度が原点よりも東ならば正(+),西ならば負(-)となるわけです。

また,縮尺係数については,前述しましたが,基準点のY座標値を見れば一発。この値が90,000m未満ならば,縮尺係数も1.0000未満となります。


次回は多角測量の分野から始まります!
「トータルステーション」と「作業工程」です。

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