複素数ミニ講義の9回目です。

「準備編」と「実践編」の全2回でお送りしている交点計算。本日は実践編です!

お読みになっていない方は,前回の準備編をお読みの上,ご覧ください。


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■おさらい

前回と同じですが,例題はこちら。
C点とF点を結ぶ直線上にあるG点を求めてみましょう。
G点はB点から方向角184°23′12″の位置にあります。

前回の復習ですが,交点計算をするにあたり必要なのは,「2点の座標値」と,「交差する2つの直線の方向角」です。

前回は下をやりました。

①B,C及びFの各点をそれぞれメモリ「B」,「C」及び「F」に記憶。

②FからCの方向角を求め,xに記憶。

③BからGの方向角をyに記憶。

で,大事なことですが,以下のメモを書きました。

どの「メモリ名」から,どの「メモリ方向角」が出ているのか?このメモは必ず作成してください。

■交点計算の手順

 ① 2つの方向角を加工して記憶させなおす。
 ② 交点のX座標を求める。
 ③ 交点のY座標を求める。
 ④ 交点をメモリに記憶させる。

さ,では上から順にやっていきましょう!


■①2つの方向角を加工して記憶させなおす。

まずは,2つの方向角(xとy)を加工して記憶させなおします。

⑥方向角xを加工して,xに記憶させなおす

電卓の表示は「tan(x)+i→x」となります。
タンジェントの括弧を閉じることと,iの前にプラスを入れることに注意しましょう。

同じように,方向角y(Bからの方向角)も加工します。

⑦方向角yを加工して,yに記憶させなおす

加工の手順はまったく同じです。
これで,F点からの加工済x方向角とB点からの加工済y方向角が揃いました。

ちなみに。
tanで計算するため,方向角が90°だとエラーが出ます。
やってみるとわかるのですが,「数学的誤りか計算範囲超えです」と表示されちゃうんです。

こういう場合,2つ方法があります。

1つ目は,「90度00分0.0001秒」など,計算に影響ない角度にして計算してしまう方法。
何も考えずにできるのでお勧めです。

↑使用する電卓や設定によって答えに差異がでるので推奨しません。詳しくはこちら。(2019.2.12追記)

2つ目はちょっと手順を飛ばす方法。
方向角xが90度ということは,交点のX座標はその器械点のX座標と同じということになります。
なので,その値を使って交点のY座標を求めることもできます。本日のミニ講義を全部見ないと意味分からないかも知れません。


■②交点のX座標を求める。

ちょっと計算が慣れないと難しいんですが,下の計算をします。

⑧交点GのX座標を求める

最後の操作では,関数電卓の操作でなく,問題用紙か答案構成用紙へ実部(上段)の「11.61652287」をメモする動作をします。この値が交点のX座標となります。

手順が非常に直感的でなく覚えづらいですね。
何度も繰り返して覚えてください。
手順を簡略化すると,「2点の座標値と加工済方向角をかけたものを引算し,それを2点の加工済方向角を引算したもので割る」ことになります。

次に,交点のY座標を計算しましょう。


■③交点のY座標を求める。

⑨交点GのY座標を求める

ここでも,上段の実部「24.31162916」を紙にメモすることになります。
この値が交点のY座標となります。

交点のX座標を求める計算とまた違うんですよね。手順を簡略化すると,「メモした交点のX座標から1つの交点の座標値を引算し,答えにその座標から出ている加工済方向角をかける」ことになります。

■④交点をメモリに記憶させる。

さ,あとは2つの紙にメモした値をメモリに記憶させて終了です。今回は「M」に記憶させましょう。

⑩紙のメモをMに記憶させる

最後に計算結果の小数点以下第3位を四捨五入し,交点Gの座標値がX座標11.62m,Y座標24.31mであることが求められました!

どうですか?手順が複雑で難しいですよね。でも,繰り返し計算して身につけてください。

最後に,交点計算の方法を計算式の形でまとめておきます。これは,点Aからの方向角xの直線と点Bからの方向角yの直線の交点を求めるものです。

 ① tan(x)+i→x         :方向角xを変形
 ② tan(y)+i→y         :方向角yを変形
 ③ (Ax-By)÷(x-y)       :実部が交点のX座標
 ④ (交点X座標-A)×x      :実部が交点のY座標

ちなみに,今回はメモを使用する方法を解説しましたが,メモを使用しない方法もあります!
慣れるとメモより正確で早く計算することができます。

その方法は,アガルート【土地家屋調査士試験 | 2018合格目標 複素数で解く測量計算】で紹介しています。
もちろん,この方法も,今回紹介したメモを使用する方法を応用したものなので,メモを使用する方法もしっかりと身につけておくといいでしょう。

それでは,次回は「基準点測量」に入っていきましょう。最初は「放射計算」からいきます。

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