今回は,応用的な問題として,セットバックを複素数でやってみましょう。

セットバックは,交点計算の一種ですが,仮点をつくったり,方向角を理解していなければならなかったりと,論点が多く,苦手な方もいらっしゃいます。

みてみましょう。

例えば,↓の図のような,四角形ABCDの土地があります。



<座標>
A X座標:118.00m Y座標: 97.00m
B X座標:115.00m Y座標:115.00m
C X座標:101.00m Y座標:118.00m
D X座標:100.00m Y座標:100.00m

このABと平行に2.00m東側にセットバックしてみます。セットバック点はE点・F点とします。
まずは,ABCDの各点を,それぞれメモリABCDにストアしておきます。

118+97i→A
115+115i→B
101+118i→C
100+100i→D

セットバックは交点計算なのですが,直線FE上の点がありません。
なので,まずは直線FE上に,仮点(計算点)として「M点」をつくります。
M点の候補しては,下の図のように2つあります。



M①はから2.00m,M②はから2.00mの距離です。

「AからM①の方向角」と「DからM②の方向角」は同じになります。この方向角は,直線ADと直角に交わる方向です。
この方向角の求め方も2つあります。

AからDの方向角から「-90°(+270°)」する。
DからAの方向角から「+90°」する。

どちらでもよいです。方向角は「右回り」の角度ですので,プラスなのかマイナスなのかは,「AからDの方向角」と「DからAの方向角」のどちらを使うかによって使い分けます。よく図をみて間違えないようにしてください。

M①とM②はどちらかを採用すればよいので,今回はM②にしましょう。
D点からの距離は2.00m,D点からの方向角は「DからAの方向角+90°」です。点の移動です。
DからAの方向角を求めた後,点の移動をしています。求めたM②点はメモリMにストアします。

Arg(A-D=
D+2∠(Ans+90→M(100.328…+101.972…i)



次はEとFを交点計算で求めます。
まずはEを求めましょう。交点計算をするための図はこんな感じ。



MからEの方向角を「x」,AからBの方向角を「y」とします。
で,この方向角xですが,平行移動なので,「DからAの方向角」と同じになります。
なので,方向角xは,DからAの方向角を求めることになります。

Arg(A-D→x
Arg(B-A→y

あとは,通常の交点計算です。メモを使わずに,途中でEのX座標をEにストアしてます。

tan(x)+i→x
tan(y)+i→y
Mx-Ay=
Ans÷(x-y=
ReP(Ans→E
Ans-M=
Anx×x=
ReP(Ans)i+E→E(117.652…+99.085…i)

これで,Eの座標値がX座標:117.65m Y座標:99.09mと計算できました。
続いて,Fも計算しましょう。交点計算をするための図はこんな感じ。



方向角xは,前のEを求めるところで加工(tan(x)+i)までしているので,そのまま使います。
「MからFの方向角は,方向角xと正反対なんじゃない?」と思われたかもしれませんが,関係ありません。実は交点計算の方向角は180°反対向きでも正確に計算することができます。

なので,求めるべきはDからCの方向角yだけです。
やってみましょう。メモを使わずに,途中でFのX座標をFにストアしてます。

Arg(C-D→y
tan(y)+i→y
Mx-Dy=
Ans÷(x-y=
ReP(Ans→F
Ans-M=
Anx×x=
ReP(Ans)i+F→F(100.111…+102.008…i)

これで,Fの座標値がX座標:100.11m Y座標:102.01mと計算できました。


それでは!

令和5年度アガルート受講生の土地家屋調査士試験合格率は63.41%(全国平均の6.56倍)

令和5年アガルート受講生の測量士補試験合格率は95.2%(全国平均の2.96倍)

令和5年度アガルート受講生の測量士試験合格率67.61%!(全国平均の6.56倍)

資料請求で講義とテキストの一部を無料でプレゼント!

1分で簡単無料体験(※会員登録後お申込みいただくと視聴できます)

資料請求で講義を無料体験