早くて正確に!複素数による測量計算ミニ講座③特殊な関数
本ページにはプロモーションが
含まれていることがあります
複素数ミニ講義の3回目です。
前回の記事で複素数モードへのセットアップが完了しました。
本日は,これから複素数で測量計算をする上で使うことになるキーや関数をみていきましょう!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
テキストを使って実際に電卓操作を見ながら学べるアガルートの講座はコチラ↓
アガルート【土地家屋調査士試験 | 2018合格目標 複素数で解く測量計算】
amazon kindleの電子書籍はコチラ↓
中山祐介【複素数で解く!関数電卓による測量計算: 土地家屋調査士試験、測量の実務現場で早い!使える! Kindle版】
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
■四捨五入するタイミング
と,その前に!めっちゃ大事な話。
それは,「四捨五入するタイミング」です。
関数電卓では全部で15桁の小数点以下の数値を格納しています。
これを「フル桁」と言いますが,つまりは数値を丸める(四捨五入する)前の値です。
しかし,調査士試験では,『座標値は計算結果の小数点以下第3位を四捨五入し,小数点以下第2位までとする』みたいな注意書きが問題文に書かれていることが多くあります。
なので,少なくとも解答用紙には四捨五入した値を書くわけですが,問題は,「いつ,四捨五入するか」というところです。
すべての問題を検討した結果行き着いたのは,「途中計算はすべて四捨五入してフル桁」。
四捨五入するタイミングは「辺長」,「求積」の前です!
いいですか,大事なことなので,もう一度言います。
「辺長(筆界点間の距離)」,「求積」は四捨五入した値でやってください!!
これで計算結果はズレません。
複素数だけじゃないですよ,電卓で計算する全ての人は,これを念頭においてください。
■使用する特殊なキーと関数
さぁ。では本日の本題です。
まずは,「シフトキー」と「アルファキー」を見てみましょう。
①シフトキー
関数電卓にはキーがいっぱいついていますが,中には黄色で印字されたものもあります。
この,黄色で印字されたキーを使用する場合は,図の①[SHIFT]を押してから該当のキーを押します。
例えば,①[SHIFT]を押して②[i]を押すと,「∠」を入力することができます。
※[i]は[ENG]キーのことです。
また,①[SHIFT]を押して③にある三角関数を押すと,該当する三角関数を押すと,逆関数を入力することができます。
②アルファキー
同じように,赤色で印字されたキーを使いたい場合は,図の①[ALPHA]を押してから該当のキーを押します。
関数電卓にはメモリと呼ばれる「A」~「F」,「x」,「y」,「M」の赤い表示がありますが,そのメモリに記憶させた数値を呼び出すときに使います。
例えば,①[ALPHA]を押して②の中にある[(-)]を押すと,メモリ「A」を呼び出すことができます。
③[STO]
[STO]は,イコール(=)と置き換えて使用することで,後に続く場所にメモリとして記憶(ストア)させることができます。STOってのはストアの略記ですね。
使用するには,計算式を入力後に,[=]の変わりに①[STO]を押します。その後,赤色の文字で書かれているメモリ名を続けます。ちなみに,このとき[ALPHA]は押しません。
例えば,「1+1」の計算式を入力したら,[STO]をおして[(-)]を押します。
すると,メモリ「A」には「2」が記憶されます。
一度記憶させたら,[ALPHA]を押して[(-)]を押すと,「A」,つまり,「2」を呼び出すことができます。
こっからは関数を見ていきましょう。
④[Abs]
絶対値(Absolute Value)を求める関数です。
①[SHIFT]②[(]で使用します。
座標の点間距離を求める際に使うことになります。
⑤[Arg]
偏角(Argument)を求める複素数の関数です。
①[OPTN]②[1](偏角)で表示して使用します。
点間の方向角を求める際に使うことになります。
⑥[Conjg]
共役複素数(Complex Conjugate)を求める複素数の関数です。
①[OPTN]②[2](共役複素数)で表示して使用します。
面積を求める際に使うことになります。
⑦[ReP]
素数の実部(Real Part)を抽出する複素数の関数です。
①[OPTN]②[3](実部抽出)で表示して使用します。
メモを使用しない交点計算をする際に使ったりします。
⑧[Ans] / Ans
[Ans] は,前の計算の解を代入するキ-です。[Ans]キ-を押すと使用できます。
続けて計算する際に非常に便利なキ-で,多用できるようになると計算が早くなります!
Ans(アンサーメモリ)もまた前の計算の解を代入するものですが,[Ans]キ-を押さなくても,前の計算で[=]を押した後,続けて計算符号(+ - × ÷ など)を押すと自動的に挿入されます。
前の計算の答えを確認しつつ,次の計算で使用したい場合などに非常に有効で,上手く使えれば大変高速に計算ができるようになりますよ!!
ミニ講座でも多用しますが,キ-を打つ必要がないことに注意。
⑨[°′″]
度分秒で方位を入力する場合に,[°′″]キーを使います。
例えば,「184°23′12″」を入力する場合は,184[°′″]23[°′″]12[°′″]と入力します。関数電卓の画面表示は「184°23°12°」となりますが,これは「184°23′12″」を意味してます。
⑩「∠」
最後が∠です。角記号と呼ばれます。
①[SHIFT]②[i]で使用します。
放射計算などで式の途中に角度を入力する際に使用します。
以上で,使用するキーや関数の解説は終了です。
「何に使うか?」はこれから覚えていきます。「どこにあるか?」「どうすれば打てるか」が大事です。
次回は実際に,複素数モードで座標値を入出力してみましょう!