複素数ミニ講義の5回目です。

前回,座標値の入力と出力をやりましたので,本日は入力した座標値の方向角と点間距離を求めてみましょう。


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■方向角

いよいよ,本格的な座標計算のはじまりです。

トラバース測量の基本は何と言っても「角度」と「距離」です。
本日はその両方をやるってことですね。

まずは,方向角の計算を解説しましょう。

では,下図にあるA市基準点であるT1からT2の方向角を求めてみましょう。
前回の座標値の入出力も使っていきますよ!



方向角を計算するためには,偏角を求める「Arg」関数を使用します。
この関数を使うだけで,2点間の方向角を計算することができます!

まずは,T1とT2を関数電卓に記憶させましょう。前回のヤツです。

点名と同じメモリ名があれば,なるべく点名と同じメモリに記憶させるといいでしょう。例えば,「点A」とあればメモリ「A」に記憶させるってな具合です。
ただし,メモリは「A」~「F」,「x」,「y」,「M」しかないため,点名と異なるメモリ名に記憶させる機会が当然ながら多くあるわけです。
調査士試験では,どの座標値をどのメモリに記憶させたのか間違えないために,問題用紙や答案構成用紙に必ずメモをしておきましょう。

ミニ講義では,おすすめの記憶先を図に○で書いておきます。
今回なら,T1は「x」に,T2は「y」に記憶させます。あくまで私の場合,基準点は「x」とか「y」に記憶させることが多いですね。ま,自由です。

では,T1は「x」に,T2は「y」に記憶させていきましょう。前回の復習みたいなもんです。

①T1をxに記憶させる



②T2をyに記憶させる



どうでしょうか?できましたか?図の画面表示をよくみて,間違えないようにしてください。

さ,そしたら次は方向角を求めてみましょう!
「T1」から「T2」の方向角を求めますよ!逆ならないように注意してください。


さて,やってみましたでしょうか?
ポイントは,Argの中の括弧では,「観測点」から「器械点」を引算するという順番を忘れてはいけません!「方向を求める点」から「中心点」を引算する,矢印のイメージだと先から元を引く感じです。

この順番を逆にしてしまうと,180°答えが変わっちゃうので注意してください!「観測点」から「器械点」を引算する,です。

さ,答えは「97.26270495」となりました。[°′″]キーを押してみてください。度分秒に形式が変わります。どうですか?これにより,T2は,T1から見て,座標北から97度15分45.74秒の方向にあるということが分かったわけです!簡単ですよね??

■点間距離

次に,点間距離の計算を解説しましょう。
調査士試験では地積測量図で筆界点間の距離を計算するとき,この点間距離の計算を多用します。複素数だと超早く計算できるので,この差は大きいですよ。

では,さっきと同じT1とT2の点間距離を計算してみましょう。


点間距離を計算するためには,絶対値を求める「Abs」関数を使用します。
方向角と同様,この関数を使うだけで,2点間の距離を計算することができます!

T1を「x」に,T2を「y」に記憶させてあることを前提に,T1とT2の点間距離を求めてみましょう。


どうでしょうか?
正しく計算できていれば,画面表示のとおり「20.64564119」となります。最後に,計算結果の小数点以下第3位を四捨五入し,T1とT2の距離が20.65mであると計算することができました。

ちなみに,方向角を求める「Arg」と異なり,「Abs」の場合は括弧の中の順番に関係はありません。どちらの点から距離を測っても同じ距離となるからですね。

さらに!

地積測量図の筆界点間の距離(土地の辺長)はちょっとしたテクニックを使うことでさらに高速に計算することもできます。いつか紹介します。


では,本日はここまで。
次回は,点の移動をやってみましょう!

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