複素数ミニ講義の10回目です。複素数のミニ講義も2桁目に突入しましたね!

前回までは座標計算をやっていましたが,今回から基準点計算に入ります。

といっても,実は中身を1つ1つみていくと座標計算の応用です。

でも,単なる復習だと思わずに,「全体の流れ」を意識してやってみてください。


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■放射計算

放射計算とは,器械点に整置したトータルステーションから観測点を観測し,「後視点からの右回りの水平角」と,「観測点までの平面距離」を測量する多角測量で使用する計算です。

調査士試験の記述式ではほぼ必ず出題されますので,重要です。
ただし,これ,実は座標計算でやった「点の移動」の応用なんですね。新しい計算はありません。今まで学習した内容を組み合わせて1つの一連の流れにすることになります。

さっそく,今回も演習問題を使ってやってみましょう。

A市基準点であるT1とT2を再び使用して,D点を観測し,その座標値を求めてみましょう。

よく調査士試験でみるヤツですね。

T1とT2からD点を観測したわけですが,以下の手順で操作します。

1.T1からT2の方向角を計算する。
2.T1からD点までの方向角と距離で,D点の座標値を出す。

では,この手順で解説します。
はじめに,必要な座標値をメモリに記憶させましょう。今回はT1を「x」に,T2を「y」に記憶させます。

①T1をxに記憶させる

②T2をyに記憶させる

次に,T1からT2の方向角を計算します。座標計算の方向角の計算の復習ですね。
下の手順をみないでできるか確認してみてください。計算する順番に注意!

③T1からT2の方向角を求める

ここまでは座標計算の方向角の例題と同じ内容です。次は「点の移動」の応用です。

④方向角と距離で座標を出す

ある点からの方向角と距離が分かっている場合,「ある点の座標値+距離∠方向角」で座標を計算できるんでしたよね。ちなみに,T1からD点までの方向角は[Ans]キーに記憶されているT1からT2までの方向角に観測角を加えたものです。
点の移動のときも言いましたが,「∠」キーの後に[(]を入れています。注意してください!

以上です。最後に,計算結果の小数点以下第3位を四捨五入し,D点の座標値は「X座標16.90m,Y座標23.07m」と求めることができました。


それでは,次回はトラバース調整をやりましょう。閉合調整の方法として均等法とコンパス法を紹介いたします。

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