ということで,ツイッターにはちょくちょく書いていましたが,中山の中で整理ができましたので,ブログの記事にします。


そもそもの発端は,法務省が土地家屋調査士試験に持ち込むことができると発表している関数電卓をすべて買って,その中で[中山式]複素数計算にベストなものを探そう。というものだったんですが,調べてみると,結局カシオとキヤノンの2社しか,戦力になるものがなかったんですね(例えば,関数電卓でカシオと双璧をなすシャープだと,試験で唯一使える「EL-501J-X」はメモリ数が1つしかないとか。)。なので,その2社で比較しようと。そういう企画です。
カシオは[中山式]複素数計算の講義でも使っている「fx-JP500」,キヤノンは,「F-789SG」で比較します。カシオには上位のfx-JP900や700がありますが,土地家屋調査士試験においては違いがありません。

比較は,「[中山式]複素数計算にとって使いやすいか」のみで見ます。使いやすさは,「早さと正確性」で見ます。


①機能へのストローク数

[中山式]複素数計算では様々な機能を使いますが,その中でも,関数電卓によってストローク数(その機能にたどり着くまでの打鍵数)が,【STO】,【Abs】,【∠】で異なります。

【STO】はカシオ「fx-JP500」が1キーに対して,キヤノン「F-789SG」が2キー
一方,【Abs】と【∠】は,カシオ「fx-JP500」が2キーに対して,キヤノン「F-789SG」が1キーとなっています。
(ちなみに,1キーで打てるのを「1stファンクション」っていうみたい。)

これだけ見ると,キヤノン「F-789SG」の方がよさそうですが,平成30年度の問21をみると,【STO】は12回も打っているのに対し,【Abs】は2回,【∠】は1回しか打ちません。
そうなると,カシオ「fx-JP500」の方が結果的には打鍵数が少なくなるということになります。ですが,たった9回の差です。たいして影響はなさそうですね。


②メモリ数

次に,ストアできるメモリ数を比較してみます。
カシオ「fx-JP500」は,「A」から「F」,「X」「Y」「M」の全9メモリです。
一方,キヤノン「F-789SG」は,それに加えて「0」から「9」までの10メモリが追加になり,全19メモリにストアすることができます。
これは大きな違いです。
特に,ストアするメモリ数が多くなる年度として,平成18年度の問21が挙げられますが,19メモリあればすべての点を個別にメモリ管理することができます。
近年は必要なメモリ数が少なくなっていますが,それでも上書きを気にすることなく,ガンガン個別のメモリを使えるので,「メモリ管理が苦手で間違いのもと」という方には救世主でしょう。
ただし,「0」から「9」までの10メモリはちょっと使い勝手が悪く,【Alpha】キーで呼び出すことができません。【RCL】で呼び出すことになります。なので,式の頭に入れるときに,【+】キーを前置しないといけません。この煩雑さをどう捉えるかは人それぞれですね。それでも2倍+1のメモリの多さは魅力です。


③値の確認のしやすさ

いくら早くても,正確に計算できなければ意味がありません。その正確性は,「値の確認のしやすさ」でも結構違います。
キヤノン「F-789SG」だと,桁数が多くなると後ろの方にスクロールしてしまうんです。こんなに長い桁なんてそもそも扱うことはありませんが,改めてカシオ「fx-JP500」の視通の良さが際立ちます。座標値を確認する作業は常に行いますので,この差は実際に問題を解いてみるとよくわかります。
例えば,平成30年度の問21だと,最初のA点をストアするときも下のようになります。


これは大きくないですか?やってみると,いかに自分が打ちながら数値を確認しているかを実感します。慣れの問題もありますが,正確でないと,いくら早くてもダメです。ここはカシオ「fx-JP500」に軍配。


ということで,結論。

やはり,土地家屋調査士試験にベストなのは,カシオ「fx-JP500」です。

カシオ 関数電卓 FX-JP500-N 高精細 日本語表示 関数・機能500以上


メモリ数の多さがキヤノン「F-789SG」の魅力ですが,値の入力を誤ると大きく手戻りしてしまう土地家屋調査士試験においては,カシオ「fx-JP500」の方がよいです。確かに,ストアしてしまえば,値の確認はできますが,Y座標を入力しながらX座標を確認したり無意識でやってるんですよね。でもここは慣れの部分も大きいと思いますので,それでもメモリ数に魅力を感じるのであれば,キヤノン「F-789SG」もアリです。
ただし,近年の土地家屋調査士試験の傾向からすると,カシオ「fx-JP500」のメモリ数で十分です。この辺りは,今後の試験傾向もキャッチしながら,両にらみで最適なものを模索していきたいと思います。
(本当にベストなのは,カシオ「fx-JP500」をベースに,メモリ数を19にして,0から9のメモリもAlphaで呼び出せるようにして,【Abs】と【∠】を1キーで打てるようにしたヤツ。作りたい。。)

あと,最後にこれを言っておきたいのですが,相互の乗換はすぐにできます。


それでは!

令和5年度アガルート受講生の土地家屋調査士試験合格率は63.41%(全国平均の6.56倍)

令和5年アガルート受講生の測量士補試験合格率は95.2%(全国平均の2.96倍)

令和5年度アガルート受講生の測量士試験合格率67.61%!(全国平均の6.56倍)

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