今年の本試験では、はじめての試みとして、「解答アナリティクス」というものをやってみました。

大変多くのご協力ありがとうございました。

解答アナリティクスとは、ご自身が選択された解答肢をご入力いただくことで、全体の正解率やそれに基づく難易度が計算されるシステムです!

では、さっそく結果をみてみましょう。

結果はコチラ↓にあります。

令和5年度(2023年)土地家屋調査士試験 問題別難易度リサーチ

では、分析していきます!!

ちなみに、難易度は、正答率が80%以上で「易」60%以上80%未満で「標準」40%以上60%未満で「やや難」40%未満で「難」となっていますが、なんと、正答率40%未満の「難」となった問題はありませんでした!

問1 民法(無効と取り消し)

正答率:67.0%(難易度:標準)

まずは、最初の民法ですね。過去問から正解できます。

1問目は、その後の回答の流れを左右するので大事です。肢ごとに読み込みが必要なので素早い回答はできませんが、比較的解きやすい問題でした。

問2 民法(物権的請求権)

正答率:94.0%(難易度:易)

2問目もすべての肢が判断できますね。さらに、正しい肢であるアエが明らかなので、とても答えやすい問題になっています。正答率の高さにも表れていますね。

問3 民法(遺言)

正答率:83.7%(難易度:易)

これは、ちょっと難しい問題でした。とは言え、イウオの肢が明らかで、そこから消去法で正解に辿り着くことができます。なので、「消去法で答えに辿り着く問題」と言えます。中山が速報などで「△」と言っている問題の1つです。

正答率は80%超で高いのですが、こういう消去法で答えまでもっていく△の問題を落とすか落とさないかは、日頃の学習が如実に現れるところです。今年は、こうした△レベルの問題が20問中5問あります。本試験の結果ですと、例年上位500位に入るぐらいのレベルが、△レベルの問題を落とさなかった人になります。これぐらいできると、記述式の基準点を加えると合格点を超える点数を取ることができる感じになっています。

問4 不登法(登記官による調査)

正答率:86.0%(難易度:易)

難しい問題です。中山の感覚からすると、この問4と問18が令和5年度本試験における難問でした。しかし、正答率は高くでています。これは、周辺知識や類似知識から、答えを類推することで正解できる(ある意味素直な論点の)問題だったからです。そういう意味では、「落としてもよかった問題」と言えるでしょう。なので、今年の試験でいえば、20問中の2問は、合否に影響ない(順位が変わるだけの)問題と言えます。

問5 不登法(表題部の登記記録)

正答率:77.7%(難易度:標準)

土地区画整理や先取特権など、マイナーながら試験対策としてはメジャーな論点が含まれています。ちゃんと学習された方でしたらすべての足を迷いなく答えることができるでしょう。

問6 不登法(地図)

正答率:62.3%(難易度:標準)

2つ目のいわゆる△レベルの問題です。消去法でいくと、ウが明らかに正でエが明らかに誤として答えに辿り着くことができます。△レベルの問題を確実に正解するためには、「自分が知っている知識と知らない知識」がはっきりとしている必要があります。基本知識をやり込むことで、この線引きが上手くなります。実際に問ているイメージとしては、「ウとエは分かるなぁ。あ、これで選択肢が1つに絞れるじゃん。」みたいな感じです。

問7 不登法(土地表題登記)

正答率:90.2%(難易度:易)

3つ目の△問題がこれです。とは言え、ほとんど○に近い△ですので、多くの方が正解できたでしょう。前述の線引きが多少曖昧でも正解に辿り着ける構成だからです。

問8 不登法(地目)

正答率:93.5%(難易度:易)

まったく問題ありませんね。全ての肢が判断できます。ここから一気にこうした易しい問題が連続するため、ペースが早くなり良い調子で問題を解いていくことができます。

問9 不登法(土地分筆登記)

正答率:90.2%(難易度:易)

これも、すべてが基本論点です。

問10 不登法(建物図面及び各階平面図)

正答率:88.4%(難易度:易)

ここから建物に入ります。気持ちよく解くことができるので、勢いはますます上がります。

問11 不登法(建物認定)

正答率:99.5%(難易度:易)

図があるのでおっとなりますが、すべてが基本論点。これまでの勢いもあり、正答率も極めて高いです。

問12 不登法(床面積)

正答率:70.7%(難易度:標準)

勢いを遮断するように、ここで△レベルの問題が入ります。問題を解いていると、ブレーキに感じます。論点的にはそれほど難しくはないのですが、文章の書き方に癖を感じ、変に時間がかかるので、一気に正答率が下がるのも分かります。しかし、分析という観点からするととても良い問題です。と言うのも、こういう「基本論点だが視点が特殊」な問題は、「ちゃんと理解しているか」を確認することができるからです。不正解になってしまった方の属性としては、おそらく知識として知らなかったのではなく、知っていたが正解できなかった方が多いと思います。知識を「知っている」から「使える」に進化させることで、こういう問題を解くことができるようになります。なので、不正解になってしまった方でこのような自覚がある方は、手を広げる学習をするよりも深く理解していく学習に舵をとることで、一気に点数が上がるでしょう。

問13 不登法(建物表題登記)

正答率:70.2%(難易度:標準)

これは良問です。中山は今年の問題で1番優れていると思いました。中山の思う悪い問題は、「重箱の隅をつく問題」で、中山の思う良い問題は、「基本論点を重ねる問題」です。構成も優れていて、ちゃんとしっかり基本論点を押さえてないと正解に辿り着けないようになっています。たまたま(?)前のブレーキ問題の直後に置かれているので、そういった特徴が出やすくなってもいます。

問14 不登法(建物の添付情報)

正答率:82.3%(難易度:易)

対話問題ですが、もはや慣れた形式です。形式にさえ戸惑わなければ、すべてが基本論点で、易しいです。

問15 不登法(建物分割登記)

正答率:93.0%(難易度:易)

これもすべてが明らかな肢です。また勢いが上がってくる感じですね。

問16 不登法(合体による登記等)

正答率:88.8%(難易度:易)

すべてが明らかな肢が続きます。

問17 不登法(共用部分である胸の登記)

正答率:88.8%(難易度:易)

これも、すべてが明らかな肢で構成された問題です。正答率の高さにも表れています。

問18 不登法(筆界特定)

正答率:48.4%(難易度:やや難)

そして、一気にペースを崩す難しい問題が出てきます。問4と並ぶ令和5年度本試験における難問です。筆界特定の問題は、今年に限ったことではありませんが、バックボーンがしっかりとしているため、知らない論点が出題されることがあります。正解肢のエオ肢が明らかに正しいのが救いです。

問19 不登法(法定相続情報一覧図)

正答率:58.6%(難易度:やや難)

筆界特定が問18に出てきたので問19はなんだろうと思ったら、法定相続情報一覧図でした。イウオ肢の消去法で解くことができる△レベルの問題です。△かつ新しい論点ということもあり、正答率は低く出ていますね。

問20 調査士法(調査士・調査士法人)

正答率:80.5%(難易度:易)

最後はオーソドックスな論点でした。全ての肢を判断することができます。毎年、択一の後半が難しいと、それに続く記述式でも尾を引くことがありますが、今年も前の2問がやや難しかったこともあり、勢いよく記述式に入られた方は少なかったように感じます。

ということで、中山の分析でした。

こんなに細かくはやっていませんが、動画も撮っています↓。

来週は、択一式基準点の発表も控えています!

それでは!

令和5年度アガルート受講生の土地家屋調査士試験合格率は63.41%(全国平均の6.56倍)

令和6年アガルート受講生の測量士補試験合格率は92.41%(全国平均の約3倍)

令和6年度アガルート受講生の測量士試験合格率77.78%!(全国平均の約6倍)

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