さて,なかなか好評のこの企画。
昨年度の調査士試験では,この企画から直撃の問題肢(しかもマニアックなやつ)が出題されたこともあり,それ以降「調べても他ではあまり見当たらない有益な情報」というフィルターで記事にするものを選んでます。

今回は,「附属建物の表示」です。表題登記を申請する際に附属建物をどのように記録するのか?のまとめです。
(実はちょっと令和元年本試験の問22の予想も含んでます。。)

まずは,基本中の基本として↓をみてみましょう。

①主である建物が非区分建物で,附属建物も非区分建物である場合

特に解説は不要ですね。普通に,種類・構造・床面積を書いてあげればokです。
所在欄には,附属建物の敷地も含まれます。
では,主である建物が非区分建物のまま,附属建物が区分建物であったらどうでしょうか?
こんな感じです↓

②主である建物が非区分建物で,附属建物が区分建物である場合

一気に難しくなりました!!

まず,所在欄です。区分建物には,「一棟の建物の所在」しか記録事項にならないため,所在欄には主である建物の敷地しか記録されません。一棟の建物は附属建物ではないですからね。

さらに,「②構造欄」が異質です。区分建物だから,専有部分の表示だけでなく,属する一棟の建物の表示も必要になるんですね。(主である建物が非区分建物なので)それを書く欄がないから,無理やり構造欄に書くことになります。
構造欄を分解すると,このようになります。

詳しく見てみましょう。
まず,①附属建物が属する一棟の建物の,所在,構造,床面積を記載します。通常の区分建物の「表題部(一棟の建物の表示)」に書く内容です(アガルートの不登法テキストP36を見てみると分かりやすいかも)。
で,②通常の「表題部(専有部分の建物の表示)」の「②構造欄」に書く内容を続けます。
さらに敷地権があるならば,③敷地権の表示を最後に加えます。さらに分解すると,「敷地権の表示A市B町一丁目7番2 宅地 250.00」までが「表題部(敷地権の目的である土地の表示)」に書く内容で,「所有権2分の1」というのが,「表題部(敷地権の表示)」に書く内容になります。

さらに,原因日付欄も変わってます。敷地権がある場合,通常の表題登記の原因日付に加えて,「表題部(敷地権の表示)」に書く敷地権の原因日付も書かなければなりません。附属建物ですが,「年月日符号1の附属建物の敷地権」でないことに注意。

今度は逆パターンです。

③主である建物が区分建物で,附属建物が非区分建物である場合

まずは,一棟の建物の表示ですが,これは区分建物である主である建物の属する一棟の建物の表示です。ですので,所在欄には,附属建物の敷地が記録されません。
なので,附属建物の「②構造欄」に,「A市B町一丁目7番地2」のように附属建物の敷地を記録して,通常の構造欄に書く内容を続けます。

続いて,両方が区分建物のケースをみてきます。
まずは主である建物と附属建物が同じ一棟の建物に属する場合。

④主である建物が区分建物で,附属建物が同一の一棟の建物に属する区分建物である場合

一棟の建物を共通とするため,「一棟の建物の表示」と「敷地権の目的である土地の表示」は難なく書けます。
注意するところといったら,「敷地権の表示」ですね。
主である建物と附属建物の敷地権の表示を分けて表示しなければならないため,どっちの敷地権なのか明確にするため,附属建物の敷地権の原因日付欄は,「年月日符号1の附属建物の敷地権」のように記録します。一方,主である建物の方は「年月日敷地権」でok。主である建物の~とかは不要です。

最後に,主である建物と附属建物が別の一棟の建物に属する場合です。

⑤主である建物が区分建物で,附属建物が別の一棟の建物に属する区分建物である場合

一棟の建物の表示ですが,これは主である建物の属する一棟の建物の表示です。ですので,附属建物の属する一棟の建物の表示は記録されません。
なので,附属建物の「②構造欄」に,一棟の建物の表示や,附属建物の構造,敷地権がある場合は敷地権の表示,が記録されます。原因日付も,敷地権がある場合,通常の表題登記の原因日付に加えて,「表題部(敷地権の表示)」に書く敷地権の原因日付も書かなければなりません。附属建物ですが,「年月日符号1の附属建物の敷地権」でないことに注意。

ということで,色々なパターンをみてきました。いずれも主である建物と附属建物は併せて「1つの建物」です。また,区分建物の場合,一棟の建物に属する他の専有部分と一括して表題登記をしなければならないことにも留意しましょう。

記述式問題で書かなければならないこともありますので,どのパターンがきても書けるようにしておきましょう!


それでは!

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