今回は,「注意したい区分建物の床面積」です。
区分建物の床面積,苦手な方が多いですよね。
何か特定の質問ってわけではないのですが,たくさん質問を受けていると,苦手な方は「ある罠」に引っかかっていることに気づきました。

区分建物の床面積は,通常の建物と異なり,「内壁で囲まれた部分」の水平投影面積になります。
で,記述式問22で区分建物が出題された場合,床面積はいくつか?が論点になってきます。
一棟の建物の床面積は,通常の建物の床面積の求め方になるので,たくさん計算しなくちゃいけないんですよね。

問題では,見取り図が出てきますが,注意書きに「建物の周囲の長さは,壁芯間の距離であり~」とあるパターンが多いです(平成30年度試験は違いましたが)。「壁芯から外壁」=「壁芯から内壁」だった場合,「壁芯から内壁」の2倍の値が壁厚になります。よって,「壁芯間の距離」と「壁厚」から以下の図のように「内壁で囲まれた部分の辺長」を求めることができます。

内側に凹なとこは,壁厚を引く。
内側に凸なとこは,壁厚を足す。
クランク形状のところは,「壁芯間の距離」=「内壁で囲まれた部分の辺長」になります。

もちろん,「壁芯から外壁」=「壁芯から内壁」だった場合ですので,そうでなかったら「壁芯から内壁」の2倍の値を足したり引いたりするワケです。

・・・そんなの分かってる!
苦手な方も,それは分かっていました。でも間違えちゃう。
で,どうして間違えてしまうのか分析すると,意外に簡単な形状に罠があることに気付きました。

下の図を見てください。

この建物が非区分建物であった場合,建物の床面積はいくつでしょうか?
値が壁芯間の距離ですので,普通に計算すればokです。
 

8×15×2=240.00㎡


ですね。
8×15の四角が2つある感じです。

では,これが区分建物であった場合,区分建物の床面積はいくつでしょうか?やってみてください。
8も15も内側に凹なので,
 

7.8×14.8×2=230.88㎡


と,やってしまいませんでしたか?
それだと,以下の部分しか計算できていません。

そう,下の黄色い部分が計算できてないんです。

赤い辺長は「クランク形状」の部分なんですね!
非区分建物の計算が頭にあると,この黄色い部分を抜かしてしまうケースが多いです。
これが,辺長の出し方は分かっているのに床面積の計算を間違えちゃう罠です。

正しい辺長を書くとこのようになります。

なので,

7.80×14.80=115.44
7.80×14.80=115.44
       計 230.88㎡


ではなく,

7.80×14.80=115.44
0.20×13.80=  2.76
7.80×14.80=115.44
       計 233.64㎡


と,3つの四角形で構成されるんですね。意外に複雑です。
この事例は罠部分が分かりやすいように簡略化したものですが,もう少し複雑だと,「どこを間違えているのか分からない」という感じになってしまいます。形だけは,間違っていても同じように見えますから。

それでは!

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