令和2年度の調査士試験は,初めて改正民法が出題されます。

先だって,「司法試験」と「予備試験」で,初めて法務省から改正民法の出題があったので,その内,調査士試験の範囲の問題をすべて挙げてみます。全16問です。これを見ると,調査士試験で出題される改正民法の特徴が掴めるかもしれません。

・改正された点が出題される(例えば,意思表示の問題は錯誤が出題されてる)

・改正点は条文問題

 …などなど。

正解肢は白文字にしていますので,選択して反転したりしてみてください。

1.〔行為能力〕
補助に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.家庭裁判所は,精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分であり保佐開始の原因がある者についても,補助開始の審判をすることができる。
イ.本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには,家庭裁判所が相当と認める場合を除き,本人の同意がなければならない。
ウ.補助開始の原因が消滅したときは,家庭裁判所は,職権で補助開始の審判を取り消すことができる。
エ.補助人の同意を得なければならない行為について,補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは,家庭裁判所は,被補助人の請求により,補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
オ.家庭裁判所が特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をした場合であっても,被補助人は,その法律行為を自らすることができる。


1.アイ 2.アオ 3.イウ 4.ウエ 5.エオ

正解:

2.〔意思表示〕
錯誤に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.錯誤を理由とする意思表示の取消しの可否について,錯誤の重要性は,表意者を基準として判断される。
イ.AのBに対する意思表示がAの錯誤を理由として取り消すことができるものである場合,Bも,Aの錯誤を理由としてAの意思表示を取り消すことができる。
ウ.負担のない贈与について贈与者であるAの錯誤を理由とする取消しがされたが,受贈者であるBが既に当該贈与契約に基づいて給付を受けていた場合,Bは,給付を受けた時に当該贈与契約が取り消すことができるものであることを知らなかったときは,現に利益を受けている限度において返還の義務を負う。
エ.AのBに対する意思表示が錯誤を理由として取り消された場合,Aは,その取消し前に利害関係を有するに至った善意無過失のCに,その取消しを対抗することができない。
オ.AのBに対する意思表示が錯誤に基づくものであって,その錯誤がAの重大な過失によるものであった場合,Aは,BがAに錯誤があることを知り,又は重大な過失によって知らなかったときを除いて,錯誤を理由としてその意思表示を取り消すことができない。


1.アイ 2.アオ 3.イウ 4.ウエ 5.エオ

正解:

3.〔代理〕
Aは,Bの代理人と称して,Cとの間でBの所有する土地をCに売却する旨の売買契約を締結したが,実際にはその契約を締結する代理権を有していなかった。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.AがCに対する無権代理人の責任を負う場合,Aは売買契約の履行をするか,又は損害賠償責任を負うかを自ら選択することができる。
イ.Bが売買契約を追認した場合,AはCに対する無権代理人の責任を負わない。
ウ.代理権を有しないことを知らないことにつきCに過失がある場合,Aは,自己に代理権がないことを知っていたときであっても,Cに対する無権代理人の責任を負わない。
エ.売買契約の締結後にAがDと共にBを相続した場合,Dの追認がない限り,Aの相続分に相当する部分においても,売買契約は当然に有効となるものではない。
オ.売買契約の締結後にBがAを単独で相続した場合,売買契約は当該相続により当然に有効となるものではない。


1.アイ 2.アウ 3.イエ 4.ウオ 5.エオ

正解:

4.〔時効〕
消滅時効に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.債務不履行に基づく損害賠償請求権は,債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しない場合,時効によって消滅する。
イ.詐欺を理由とする取消権は,その行為の時から5年間行使しない場合,時効によって消滅する。
ウ.不法行為に基づく損害賠償請求権は,不法行為の時から20年間行使しない場合,時効によって消滅する。
エ.10年より短い時効期間の定めのある権利が確定判決によって確定した場合,その時効期間は,短い時効期間の定めによる。
オ.定期金の債権は,債権者が定期金の債権から生ずる金銭その他の物の給付を目的とする各債権を行使することができることを知った時から10年間行使しない場合,時効によって消滅する。


1.アウ 2.アオ 3.イエ 4.イオ 5.ウエ

正解:

5.〔物権的請求権〕
物権的請求権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.Aが地上権を有する甲土地に無断でBがその所有する自動車を放置した場合,Aは,Bに対し,地上権に基づく妨害排除請求権の行使として自動車を撤去するよう求めることはできない。
イ.Aが所有する鉄塔が自然災害により傾き,鉄塔に隣接するBの所有する甲建物を損傷させるおそれが生じた場合において,Bが所有権に基づく妨害予防請求権の行使として甲建物を損傷させないための措置を講ずるよう求めたときは,Aは,過去に実際に一度でも甲建物を損傷させたことがないことを理由としてBの請求を拒むことができる。
ウ.Aの所有する自動車がBの所有する山林に無断で放置され,20年が経過した場合において,BがAに対して所有権に基づく妨害排除請求権の行使として自動車の撤去を求めたときは,Aは,妨害排除請求権の消滅時効を援用してBの請求を拒むことができる。
エ.Aが,A所有の甲土地に洪水のため流されてきた自動車の所有者であるBに対し,所有権に基づく妨害排除請求権の行使として自動車を撤去するよう求めた場合,Bは,所有権侵害について故意過失がないことを主張立証しても,Aの請求を拒むことはできない。
オ.Aの所有する甲土地に無断でBがその所有する自転車を放置した場合において,AがBに対して所有権に基づく妨害排除請求権の行使として自転車を撤去するよう求めたときは,Bは,自己が未成年者であることを理由としてAの請求を拒むことはできない。


1.アイ 2.アウ 3.イエ 4.ウオ 5.エオ

正解:

6.〔物権変動〕
登記に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.Aが所有する甲土地上に,Bが無権原で乙建物を所有している。Bは,自ら乙建物の所有権保存登記をした後,乙建物をCに売却してその所有権を移転した。この場合において,BからCへの乙建物の所有権移転登記がされていないときは,Aは,Bに対し,所有権に基づき乙建物の収去及び甲土地の明渡しを請求することができる。
イ.Aが所有する甲土地をAから賃借したBは,甲土地上に建築した自己所有建物につき,Bの妻C名義で所有権保存登記をした。この場合において,Aが甲土地をDに売却してAからDへの所有権移転登記がされたときは,Bは,甲土地の賃借権をDに対抗することができる。

ウ.Aは,所有する甲土地のために,Bが所有する乙土地上に地役権の設定を受け,その旨の登記がされた。この場合において,Aが甲土地をCに売却してAからCへの所有権移転登記がされたときは,Cは,甲土地のための地役権をBに対抗することができる。
エ.Aは,Bが所有する甲建物を賃借してその引渡しを受けた。この場合,Aは,Bに対し,当然に賃借権の設定登記を請求することができる。
オ.Aは,所有する甲土地につき,Bを第一順位とする抵当権及び,Cを第二順位とする抵当権をそれぞれ設定し,その旨の登記がされた。この場合において,甲土地のBの抵当権の被担保債権が消滅したときは,Cは,Bに対し,自己の抵当権に基づきBの抵当権設定登記の抹消を請求することができる。


1.アイ 2.アオ 3.イエ 4.ウエ 5.ウオ

正解:

7.〔物権変動〕
不動産の物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.A所有の甲土地をAがBに売却し,その後Aが甲土地をCに対し売却してその旨の登記がされ,更にCが甲土地をDに対し売却してその旨の登記がされた場合において,CがBに対する関係で背信的悪意者に当たるときは,Bは,Dに対し,甲土地の所有権を登記がなくても主張することができる。
イ.A所有の甲土地をAがBに売却し,その旨の登記がされたが,AがBの詐欺を理由としてAB間の売買契約を取り消した後,この取消しについて善意無過失のCに対しBが甲土地を売却し,その旨の登記がされた場合,Aは,Cに対し,甲土地の所有権を登記がなくても主張することができる。
ウ.A所有の甲土地をAがBに売却し,更にBがCに売却し,それぞれその旨の登記がされた場合において,その後,AがAB間の売買契約をBの甲土地の代金不払を理由に解除したときは,Aは,Bの代金不払の事実を知らないCに対し,甲土地の所有権を主張することができない。
エ.A所有の甲土地をAがBに売却し,その旨の登記がされた場合において,その後,これより前から所有の意思をもって甲土地を占有していたCについて取得時効が完成したときは,Cは,Bに対し,甲土地の所有権を主張することができない。
オ.甲土地を所有していたAが遺言を残さずに死亡し,BとCがAを共同相続し,Cが甲土地をBCの共有とする共同相続登記をしてCの持分にDのために抵当権を設定し,その旨の登記がされた場合において,その後,BCの遺産分割協議により甲土地がBの単独所有とされたときは,Bは,Dに対し,抵当権設定登記の抹消を請求することができない。


1.アイ 2.アウ 3.イエ 4.ウオ 5.エオ

正解:

8.〔即時取得〕
即時取得に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.Aは,自己所有の宝石をBに売却して現実の引渡しをした。その後,Bは,宝石をCに売却して現実の引渡しをした。さらに,その後,Aは,AB間の売買契約をBの強迫を理由として取り消した。この場合,Cは,即時取得により宝石の所有権を取得することはない。
イ.未成年者Aは,自己所有の宝石をBに売却して現実の引渡しをした。その後,Aは,AB間の売買契約を未成年であることを理由として取り消した。この場合,Bが即時取得により宝石の所有権を取得することはない。
ウ.Aは,B所有の宝石をBから賃借して引渡しを受けた上,宝石をCに預けていたが,宝石をDに売却し,Cに対し,宝石を今後Dのために占有するよう命じ,Dがこれを承諾した。この場合,Dは,宝石がA所有であると信じ,かつ,そのことに過失がなかったとしても,即時取得により宝石の所有権を取得することはない。
エ.Aは,Bが置き忘れた宝石を,自己所有物であると過失なく信じて持ち帰った。この場合,Aが即時取得により宝石の所有権を取得することはない。
オ.Aは,BがCから賃借していた宝石を盗み,Dに贈与した。Dが宝石をAの所有物であると過失なく信じて現実の引渡しを受けた場合,Bは,宝石の盗難時から2年間は,Dに宝石の回復を請求することができる。


1.アウ 2.アエ 3.イウ 4.イオ 5.エオ

正解:

9.〔占有訴権〕
占有の訴えに関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.Aは自己の所有するコピー機をBに賃貸していたが,Bはコピー機の賃貸借契約が終了した後もコピー機を使用し続け,Aに返還しなかった。この場合,Aは,Bに対し,占有回収の訴えによりコピー機の返還を請求することができる。
イ.Aは,底面に「所有者A」と印字されたシールを貼ってある自己所有のパソコンをBに窃取された。その後,Bは,パソコンの外観に変更を加えることなく,パソコンを盗難の事情を知らないCに譲渡した。この場合,Aは,Cに対し,占有回収の訴えにより同パソコンの返還を請求することはできない。
ウ.Aは自己の所有する工作機械をBに賃貸していたが,Bは,工作機械の賃貸借契約継続中に工作機械をCに窃取された。この場合,Bは,Aから独立して,Cに対して占有回収の訴えを提起することができる。
エ.Aは,自己の所有する自転車をBに詐取された。この場合,Aは,Bに対し,占有回収の訴えにより自転車の返還を請求することができる。
オ.Aは,別荘地に土地を所有していた。その隣地の所有者であったBは,Aに無断で境界を越えてA所有の土地に塀を作り始め,2年後にその塀が完成した。Aは,この時点において,Bに対し,占有保持の訴えによりその塀の撤去を請求することはできない。


1.アイ 2.アエ 3.イウ 4.ウオ 5.エオ

正解:

10.〔地上権〕
地上権に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.地上権者は,地上権設定者に対し,その地上権の設定登記を請求する権利を有する。
イ.約定による地上権の存続期間は,20年以上50年以下の範囲内で定めなければならない。
ウ.地上権は,工作物又は竹木を所有する目的で土地を使用する権利である。
エ.地下又は空間は,工作物を所有するため,上下の範囲を定めて地上権の目的とすることができる。
オ.地上権は,地上権設定者の承諾を得なければ,譲渡することができない。


1.アイ 2.アエ 3.イオ 4.ウエ 5.ウオ

正解:

11.〔先取特権〕
先取特権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.法人に対して電気料金債権を有する者は,供給した電気がその代表者及びその家族の生活に使用されていた場合,法人の財産について一般の先取特権を有する。
イ.旅館に宿泊客が持ち込んだ手荷物がその宿泊客の所有物でなく他人の所有物であった場合,旅館主は,その手荷物がその宿泊客の所有物であると過失なく信じたときであっても,その手荷物について旅館の宿泊の先取特権を行使することはできない。
ウ.動産の売主は,買主がその動産の転売によって得た売買代金債権につき,買主の一般債権者が当該売買代金債権を差し押さえた後は,動産の売買の先取特権に基づく物上代位権を行使することはできない。
エ.不動産の工事の先取特権の効力を保存するためには,工事を始める前にその費用の予算額を登記しなければならない。
オ.建物賃貸借において,賃借権が適法に譲渡され,譲受人が建物に動産を備え付けた場合,賃貸借関係から生じた賃貸人の債権が譲渡前に発生していたものであっても,不動産の賃貸の先取特権はその動産に及ぶ。


1.アイ 2.アオ 3.イウ 4.ウエ 5.エオ

正解:

12.〔抵当権〕
債務者Aは債権者BのためにAの所有する不動産甲に抵当権を設定し,その旨の登記がされた。この場合における抵当権の消滅に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.Aは,抵当権を実行することができる時から20年が経過すれば,被担保債権が消滅していなくても,抵当権が時効により消滅したと主張することができる。
イ.甲について,その後,AがCのために抵当権を設定し,その旨の登記がされた場合において,BがAから甲を買い受けたときは,Bの抵当権は消滅しない。
ウ.Aの一般債権者が甲につき強制競売の申立てをし,当該強制競売手続において甲が売却されたときは,Bの抵当権は消滅する。
エ.甲について,その後,Aから譲渡担保権の設定を受けたDは,譲渡担保権の実行前であっても,抵当権消滅請求をすることにより,Bの抵当権を消滅させることができる。
オ.甲が建物である場合において,Aが故意に甲を焼失させたときは,Bの抵当権は消滅しない。


1.アエ 2.アオ 3.イウ 4.イオ 5.ウエ

正解:

13.〔根抵当権〕
債務者Aが債権者Bのために自己の所有する不動産に根抵当権を設定した場合に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.Bは,元本の確定前は,Aに対する他の債権者Cに対してその順位を譲渡することができる。
イ.Bの根抵当権にDのために転根抵当権が設定され,BがAに転根抵当権の設定の通知をした場合,Aは,元本の確定前であれば,Dの承諾を得なくてもBに弁済することができる。
ウ.元本の確定前に,Bが根抵当権によって担保されていた債権をEに譲渡した場合,それに伴って根抵当権もEに移転する。
エ.後順位抵当権者Fがいる場合,A及びBが元本確定期日を変更するためには,Fの承諾が必要である。
オ.Bが数個の不動産について根抵当権を有する場合,同一の債権の担保として数個の不動産の上に根抵当権が設定された旨の登記がその設定と同時にされたときを除き,各不動産の代価についてそれぞれの極度額まで優先権を行使することができる。


1.アウ 2.アエ 3.イエ 4.イオ 5.ウオ

正解:

14.〔遺贈〕
遺贈に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.遺贈は,成年に達しなければ,することができない。
イ.寄与分は,被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
ウ.相続財産の一部の割合について包括遺贈を受けた者は,相続財産に属する債務を承継しない。
エ.Aが所有する甲不動産をBに生前贈与したが,所有権移転登記未了のうちにCに遺贈する旨の遺言をし,Aの死亡後にAからCへの遺贈を原因とする所有権移転登記がされた場合,CがAの相続人であっても,Bは,Cに対し,甲不動産の所有権の取得を対抗することができない。
オ.遺贈は,遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは,その効力を生じない。


1.アウ 2.アオ 3.イウ 4.イエ 5.エオ

正解:

15.〔遺言〕
遺言の執行に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.自筆証書遺言に係る遺言書を保管している相続人は,相続の開始を知った後,遅滞なく,遺言書を保管している旨を他の相続人に通知しなければならない。
イ.遺言執行者がないとき,又はなくなったときは,家庭裁判所は,利害関係人の請求によって,これを選任することができる。
ウ.遺言執行者がある場合には,遺贈の履行は,遺言執行者のみが行うことができ,遺言者の相続人がこれを行うことはできない。
エ.遺産分割方法の指定として遺産に属する預金債権の全部を相続人の一人に承継させる旨の遺言があったときは,遺言執行者は,遺言者がその遺言に別段の意思を表示した場合を除き,その預金の払戻しを請求することができる。
オ.遺言執行者は,遺言者がその遺言に別段の意思を表示した場合を除き,やむを得ない事由がなければ,第三者にその任務を行わせることができない。


1.アウ 2.アオ 3.イウ 4.イエ 5.エオ

正解:

16.〔相続と贈与〕
相続と贈与に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。


ア.特別受益に当たる贈与の価額がその受贈者である相続人の具体的相続分の価額を超える場合,その相続人は,超過した価額に相当する財産を他の共同相続人に返還しなければならない。
イ.Aが,婚姻後21年が経過した時点で,Aとその配偶者Bが居住するA所有のマンション甲をBに贈与し,その後に死亡した場合,当該贈与については,その財産の価額を相続財産に算入することを要しない旨の意思表示(持戻し免除の意思表示)がされたものと推定される。
ウ.特別受益に当たる贈与は,地震により目的物が滅失した場合であっても,相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてその価額を定める。
エ.不動産の死因贈与の受贈者Aが贈与者Bの相続人である場合において,限定承認がされたときは,死因贈与に基づくBからAへの所有権移転登記が相続債権者Cによる差押登記よりも先にされたとしても,Aは,Cに対し,その不動産の所有権の取得を対抗することができない。
オ.特別受益に当たる贈与は,当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたものでない場合,相続開始前の10年間にしたものに限り,遺留分を算定するための財産の価額に算入される。


1.アイ 2.アウ 3.イオ 4.ウエ 5.エオ

正解:


どうですか?できましたか??

法務省問題なので,あまり違和感なく解くことができたかと思います。

変にヤマを張るのは厳禁ですが,不安な改正民法の出題について一助となれば。

それでは!

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