問1<測量の誤差>

測量の誤差に関する正誤問題である。

ア ×
視準軸誤差,水平軸誤差,偏心誤差及び外心誤差については,望遠鏡の正反観測値を平均することで消去できる。一方,トータルステーションの鉛直軸が,鉛直線から傾いているために生じる鉛直軸誤差は,消去法がない。

イ 〇
新点の位置精度は多角網の形状による影響を受けるため,選点にあたっては観測網の形状を考慮する。観測網の形状については,1~2級基準点測量では結合多角方式を使い,3~4級基準点測量では結合多角方式か単路線方式を使うことになる。

ウ 〇
電離層の影響は特に10kmを超える長距離基線の場合影響があるため,周波数の異なる2周波(L1帯とL2帯)を受信できるGNSS受信機を使用する必要がある。

エ ×
器械定数及び反射鏡定数の誤差は定数であり,測定距離には比例しない。

オ 〇
トータルステーションを用いた角度の観測は方向観測法と呼び,水平角の観測は1視準1読定(1方向を見て,1回角度を観測する)を2対回する。対回とは1回角度を観測した後,望遠鏡を180°回転させ,さらに2回目の角度を観測することをいう。2対回観測を行った結果から得られた水平角は,平均値を採用する。

よって,誤っているものはア,エであり,その組合せは「2」である。

問2<基線ベクトル計算>

観測値から,基線ベクトルを計算する問題である。

基準となる点Aの座標を(0,0,0)とすると,他の座標値は基線ベクトル成分の値と同じになる。つまり,点Bは(-500,+300,+100),点Cは(-100,-100,-100)となる。




まずは,XYの平面での2点間の斜距離(S)をピタゴラスの定理で計算する。

①点Bと点Cの△xを求めてxに記憶させる
-500--100→x

②点Bと点Cの△yを求めてyに記憶させる
300--100→y

③ピタゴラスの定理から,平面上の斜距離(S)を求め,Mに記憶させる
√(x2+y2→M

次に,SとZの比高を使ったピタゴラスの定理を解くことで,最終的な三次元上での斜距離(S’)を計算する。

①点Bと点Cの△zを求める
100--100=

②ピタゴラスの定理から,三次元上での斜距離(S’)を求める
√(An2+M2

以上により,斜距離は600mと求められた。
よって,正解は「4」である。

問3<角>

角に関する正誤問題である。
北を表す方向には,座標北,真北,磁北の3つがあり,以下のようになっている。


A点を通る「磁北」方向から時計回りにB点を測定した側線への角を「磁方位角」という。
A点を通る「真北」方向から時計回りにB点を測定した側線への角を「方位角」という。
A点を通る「座標北」方向から時計回りにB点を測定した側線への角を「方向角」という。

A点を通る「真北」方向から時計回りに「磁北」方向までの角度を「偏角」という。
A点を通る「座標北」方向から時計回りに「真北」方向までの角度を「子午線収差」という。

ア 〇
A点を通る「磁北」方向から時計回りにB点を測定した側線への角を「磁方位角」という。

イ ×
A点を通る「真北」方向から時計回りに「磁北」方向までの角度を「偏角」という。

ウ 〇
A点を通る「座標北」方向から時計回りにB点を測定した側線への角を「方向角」という。

エ 〇
A点を通る「真北」方向から時計回りにB点を測定した側線への角を「方位角」という。

オ ×
A点を通る「座標北」方向から時計回りに「真北」方向までの角度を「子午線収差」という。

よって,誤っているものはイ,オであり,その組合せは「4」である。

問4<測量の基準>

測量の基準に関する穴埋めの問題である。


 
ア ジオイド
地球表面の大部分を覆っている海面は,常に形を変えている。その平均的な状態を陸地内部まで延長した仮想の面をジオイドという。

イ 標高
測量において座標の高さは平均海面からの高さ(鉛直方向の距離)で示される。これを標高という。

ウ ジオイド高
準拠楕円体からジオイドまでの高さをジオイド高という。

エ 楕円体高
準拠楕円体から地表までの高さを楕円体高という。

よって,もっとも適当な組合せは「4」となる。

問5<図形>

甲土地と乙土地の交換部分が等しい面積になるということは,①と②の面積が等しくなる。



ACを結ぶ直線を底辺とする三角形ABCと三角形APCを考えると,2つの三角形は③部分を共通とするため,①と②の面積を等しくするためには,2つの三角形の高さが等しくなければならない。

つまり,直線ACと直線BPは平行線となる。

A点の座標値をX座標100Y座標100とし,A点からB点の方向角を45度としたときのB点とC点の座標値を求める。


①A点をAに記憶させる
100+100i→A

②B点の座標値を求め,Bに記憶させる
A+15∠45→B

③BからAの方向角を求める
Arg(A-B

③C点の座標値を求め,Cに記憶させる
B+25∠(Ans-120→C

交点Pは,A点からC点の方向にB点から出した直線と,C点からB点の方向に30°加えた方向にC点から出した直線の交点となる。交点計算をする場合は,下のようなメモを書く。



AからCの方向角を「x」に,CからBの方向角に30°加えたCからの方向角を「y」に記憶させる。

①AからCの方向角を求め,xに記憶させる
Arg(C-A→x

②Cからの方向角を求め,yに記憶させる
Arg(B-C=
Ans+30→y

③方向角xを加工して,xに記憶させなおす
tan(x)+i→x

④方向角yを加工して,yに記憶させなおす
tan(y)+i→y

⑤交点PのX座標を求めて,Dに記憶させる
Bx-Cy=
Ans÷(x-y=
ReP(Ans→D

実部を抽出し,「D」に記憶させた。この値が交点PのX座標となる。

⑥交点PのY座標を求めて,Dに記憶させる
Ans-B=
Ans×x=
ReP(Ans)i+D→D

以上によりP点の座標値が求められた。
最後に,C点からP点の距離を求める。

①C点からP点の距離を求める
Abs(D-C=

以上によりA点からP点の距離は,11.809…と求められた。
よって,正解は「2」である。



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