調査士<午前の部>解説ミニ講座 平成27年度 問6~10
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問6<等高線の計算>
比例による等高線の計算をする問題である。
問題文から,等高線は1mおきに表記されるとあるため,A点からもっとも近い等高線は,66mとなる。
BからAの高さは,66.5-59=7.5mとなる。
等高線からAの高さは,66.5-66=0.5mとなる。
BからAまでの距離は90mであるが,地形図の縮尺が1/1,000であるため,地図上の距離は,90.0m÷1000=0.090m=9.0cmとなる。
等高線からAまでの地図上の距離をxとおき,比例式にすると以下のとおりになる。
7.5m:9.0cm=0.5m:xcm
これを変形し,計算をしてxを求める。
x=9.0×0.5÷7.5
=0.6cm
よって,正解は「2」である。
問7<データの形式>
データの形式に関する正誤問題である。
ア ×
ラスタデータは,一定の大きさの画素を並べたデータのため,拡大表示すると線の太さが太くなる。
イ 〇
ラスタデータとベクタデータは相互に変換することができる。ただし,変換すると画質や精度が落ちることがある。
ウ ×
道路中心線のベクタデータを用いれば,道路ネットワークを構築することによって,道路上の2点間の経路検索がおこなえる。よって,ラスタデータよりもベクタデータの方が適している。
エ 〇
ラスタデータとベクタデータは相互に変換することができ,GISでの重ね合わせをすることができる。
オ 〇
ベクタデータとは,図形を座標値と方向で表現するデータ形式である。点,面,線を表現することができる。
よって,誤っているものはア,ウであり,その組合せは「1」である。
問8<機器の点検(三点法)>
三点法による測定距離の補正を計算する問題である。
距離の補正値(器械定数と反射鏡定数の和)は,AC-(AB+BC)で求まる。
なお,反射鏡定数は問題文から+0.02である。
①器械定数と反射鏡定数の和を求める
1000.45-(650.25+350.15=
②器械定数を求める
Ans-.02
以上により,器械定数は+0.03と求められた。
よって,正解は「3」である。
問9<標高計算>
水準測量の観測値から,閉合差を調整する問題である。
まずは,前の水準点の標高に高低差を加えていき,各水準点の観測標高を順次求める。
BM1の観測標高=72.52+2.562=75.082
BM2の観測標高=75.082+-0.585=74.497
BM3の観測標高=74.497+5.226=79.723
Bの観測標高=79.723+-0.223=79.500
以上により,Bの観測標高は79.500mと求められた。
実際の標高は問題から79.470mであるため,全体の補正量は,79.470-79.500=-0.030mとなる。
これを,各水準点ごとに,累加距離÷路線距離で割り振る。路線距離は,0.8+0.6+0.9+0.7=3である。
BM1の補正量=-0.030×0.8÷3=-0.008
BM2の補正量=-0.030×(0.8+0.6)÷3=-0.014
BM3の補正量=-0.030×(0.8+0.6+0.9)÷3=-0.023
Bの補正量=全体の補正量=-0.030
この補正量を観測標高に加えることで,標高の最確値を求めていく。
BM1の標高=75.082-0.008=75.074
BM2の標高=74.497-0.014=74.483
BM3の標高=79.723-0.023=79.700
Bの標高=79.500-0.030=79.470
以上により,BM3の標高は79.700mと求められた。
よって,正解は「1」である。
問10<座標計算>
A点の座標値を,X座標100,Y座標100とし,A点からB点の方向角を0°とすることで,座標計算によりB点とC点の座標値を求める。
①A点をAに記憶させる
100+100i→A
②B点の座標値を求め,Bに記憶させる
A+22.749→B
③C点の座標値を求め,Cに記憶させる
A+24.12∠85→C
3点の座標値を使い,BC間の距離と三角形ABCの面積をそれぞれ求める。
①BからCの距離を求める
Abs(C-B=
②三角形ABCの面積を求める
Conjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg(C)A=
Ans÷2=
ImP(Ans)=
以上により,BC間の距離は31.680…m,三角形ABCの面積は273.308…㎡と求められた。
よって,正解は「3」である。
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