調査士<午前の部>解説ミニ講座 平成27年度 問1~5
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問1<閉合差>
観測方向角の閉合差を計算する問題である。
まずは,それぞれの観測方向角を順次計算していき,A点からB点の観測方向角を求める。
①B点からC点の観測方向角を求める
52+257°40°35°-180=
②C点からD点の観測方向角を求める
Ans+253°20°45°-180=
③D点からE点の観測方向角を求める
Ans+262°25°10°-180=
④E点からA点の観測方向角を求める
Ans+240°13°5°-180=
⑤A点からB点の観測方向角を求める
Ans+246°20°50°-720=
次に,閉合差を求める。閉合差は,観測方向角から方向角を引くことで求められる。
Ans-52=
以上により,A点からB点の観測方向角の閉合差は0°0′25″と求められた。
よって,正解は「4」である。
問2<間接水準測量>
間接水準測量によって新点の標高を計算する問題である。
αAとαBの2つの鉛直角が観測されているため,既知点と新点で同時に観測を行う同時観測による間接水準測量である。
同時観測による間接水準測量の場合は両差の影響を相殺することができるため,2つの観測結果を平均すればよい。
同時観測による間接水準測量では,以下の式で新点Bの標高(HB)を求めることができる。
HB=HA+iA=fA-(sin((-αA+αB)÷2)×1250)-iB=fB
代入すると,以下のようになる。
HB=525+1.32-(sin((15°0°15°+14°59°45°)÷2)×1250)-1.24
以上により,新点Bの標高(HB)は201.556…と求められた。
よって,正解は「4」である。
問3<座標変換>
A点とB点をA’点とB’点に移動・回転・伸縮した場合のC点の座標値を求める。
まずは,A,B,C点及びA’点とB’点を,それぞれ「A」,「B」,「C」,「D」,「E」に記憶させる。
①A点をAに記憶させる
200+200i→A
②B点をBに記憶させる
245+245i→B
③C点をCに記憶させる
259.79+225.38i→C
④A’点をDに記憶させる
-30-30i→D
⑤B’点をEに記憶させる
-30+33.64i→E
ABの方向角・距離と,A’B’の方向角・距離を比較し,移動だけでなく,回転や伸縮があるかを調べる。
①AからBの方向角を求める
Arg(B-A=
②A’からB’の方向角を求め,AからBの方向角と比較し,差をxに記憶させる
Arg(E-D)-Ans→x
ここで求められたx(45°)が回転量となる。
次に,伸縮を調べる。
①AからBの距離を求める
Abs(B-A=
②A’からB’の方向角を求め,AからBの方向角と比較し,差をyに記憶させる
Abs(E-D)÷Ans→y
ここで求められたy(1.000006123)が伸縮量となる。
ただし,伸縮量は僅かであるため,伸縮はないものと考えてよい。
これらをもとに,座標変換後のC点の座標値を求める。
まずは,変換前のA点からC点までの方向角を計算する。
①AからCの方向角を求める
Ang(C-A=
この水平角にxを加えたものが,変換後のA’からC’の方向角となる。
②A’からC’の方向角を求め,xに記憶させる
Ans+x→x
次に,変換前のA点からC点までの距離を計算する。
①AからCの距離を求める
Abs(C-A=
この距離にyをかけたものが,変換後のA’からC’の距離となる。
②A’からC’の距離を求め,yに記憶させる
Ans×y→y
最後に,変換後のA’からC’の方向角・距離で,C’の座標を求める
①C’の座標値を求める
D+y∠x=
以上により,C’点の座標値は,X座標-5.668…Y座標30.224…と求められた。
よって,正解は「4」である。
問4<隅切り計算>
A,B,C点の座標値から∠BAEを求める。
まずは,A,B,C点をそれぞれメモリ「A」,「B」,「C」に記憶させる。
①A点をAに記憶させる
216.69+209.11i→A
②B点をBに記憶させる
205.2+203i→B
③C点をCに記憶させる
214.63+220.79i→C
次に,A点からB点の方向角から,A点からC点の方向角を引き,∠BAEを求める。
④AからBの方向角を求める
Arg(B-A=
⑤∠BAEを求め,xに記憶させる
Ans-Arg(C-A=
Ans+360→x
求めるべきADの距離は,DEの距離(3m)の半分をsin(x/2)で割ったものとなる。
①ADの距離を求める
sin(x÷2=
3÷2÷Ans=
以上により,ADの距離は,1.854…と求められた。
よって,正解は「4」である。
問5<内分点>
まずは,C点の座標値を求める。
①A点をAに記憶させる
312.51+102.15i→A
②B点をBに記憶させる
303.23+122.46i→B
③AからBの方向角を求める
Arg(B-A=
④C点の座標値を求め,Cに記憶させる
B+2∠Ans→C
以上により,C点の座標値が求まったため,A点とC点を1:2に内分するP点の座標値を求める。
⑤P点の座標値を求める
C-A=
Ans÷3+A=
以上により,P点の座標値は,X座標309.139…Y座標109.526…と求められた。
よって,正解は「3」である。