調査士<午前の部>解説ミニ講座 平成26年度 問1~5
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問1<標準偏差>
観測値から,標準偏差を計算する問題である。
標準偏差(M)は以下の式で求められる。n=観測回数,v=残差とする。残差とは,平均値と各観測値の差をいう。
また,最確値の標準偏差(M)は以下の式で求められる。
まずは,それぞれの観測値をメモリ「A」から「E」までに記憶させる。
計算を簡略化するため,130°を基準とした。
①観測値1から5をAからEに記憶させる
-4→A
5→B
-2→C
7→D
4→E
観測値の平均値を求める。
①観測値の平均値を求めてxに記憶させる
A+B+C+D+E=
Ans÷5→x
次に,各観測値の残差(v)を平均値から差し引くことで求める。
それぞれメモリ「A」から「E」までに上書きする。
②観測値の残差を求める
A-x→A
B-x→B
C-x→C
D-x→D
E-x→E
各観測値の残差を二乗して合計する。
③の残差を二乗して合計してxに記憶させる
A2+B2+C2+D2+E2→x
はじめに,標準偏差を求める。
①標準偏差を求める
√(x÷(5-1=
以上により,標準偏差は4.743…と求められた。
次に,最確値の標準偏差を求める。
①最確値の標準偏差を求める
√(x÷(5×(5-1=
以上により,最確値の標準偏差は2.121…と求められた。
よって,正解は「2」である。
問2<角度の偏心補正計算>
観測値から,角度の偏心補正計算をする問題である。
正弦定理を使用してθを求めるため,まずはAB間の距離(x)を求める。
2辺の辺長と内角の1つが判明していため,第二余弦定理を使用する。
①AB間の距離(x)を求めてxに記憶させる
cos47°20°=
Ans×2×200×30=
Ans-(2002+302=
√(Ans→x
x÷i→x
以上により,xの長さは181.017…となった。
次に,正弦定理によりθを求める。
正弦定理から,
sinθ/e=sinφ/x となる。
代入すると,以下のようになる。
sinθ/30=sin47°20′/x
①θの角度を求める
sin(47°20°)×30÷x=
sin-1(Ans=
②∠Tを求める
177°41°37°-Ans=
問題文から,点Aにおける点Bの方向角は324°36′23″であるため,これにT’を加えることで,点Cの方向角を求める。
①点Cの方向角を求める
324°36°23°+Ans=
Ans-360=
以上により,点Aにおける点Cの方向角は135°18′1.35″と求められた。
よって,正解は「1」である。
問3<角度>
五角形ABCDEの面積と四角形A’CDEの面積が等しいということは,三角形ABCと三角形A’CAの面積が等しいということになる。
この2つの三角形は底辺をACで共通とするため,面積を等しくするためには,高さが等しくなければならない。つまり,ACとBA’は平行ということになる。
また,この高さは,8.51×sin(60)=7.369…mとなる。
次に,角度に着目する。
三角形の内角の和は180°であるため,∠BACは180-(100+60)=20°となる。
また,∠BAEが130°であるため,∠CAEは130-20=110°となる。
ACとBA’は平行であるため,∠CAEと∠BA’Aは等しく,110°となる。
A’からADに向けた垂線の交点をFとすると,∠BA’Fが直角になるため,∠FA’Aは110-90=20°となる。
よって,三角形A’FAにおける三角関数を使い,A’Aの距離は,7.369…÷cos(20)=7.842…と求められた。
よって,正解は「3」である。
問4<距離の観測誤差>
距離の観測誤差の正誤問題である。
1 〇
位相測定誤差は光波の周波数に誤差が比例するもので,測定距離には比例しない。
2 〇
変調周波数の誤差では,基準となる光の波長の長さを変えてしまうことから,変調周波数誤差は測定距離に比例する。
3 ×
気温と気圧の変化が観測距離に与える影響では,気温の変化が与える影響の方が相対的に大きい。
4 〇
気温が高くなり分子密度が低くなるほど光の速度が早くなるため,実際の距離よりも観測距離は短くなる。
5 〇
気圧が高くなり分子密度が高くなるほど光の速度が遅くなるため,実際の距離よりも観測距離は長くなる。
よって,誤っているのは「3」である。
問5<方向角計算>
観測値から,方向角を計算する問題である。
まずは,T1,T2,T3の各点をそれぞれメモリ「A」,「B」,「C」に記憶させる。
①T1をAに記憶させる
148.23+90.37i→A
②T2をBに記憶させる
180.4+102.72i→B
③T3をCに記憶させる
134.52+60.97i→C
T1からP点の方向角は,T1からT2の方向角から反時計回りに63°の角度となる。
よって,T1からT2の方向角を求めることで,P点の座標値を求めることができる。
①T1からT2の方向角を求めて,Dに記憶させる
Arg(B-A=
A+30.26∠(Ans-63→D
∠PT3T1をθとした場合,θは,T3からT1の方向角からT3からPの方向角を引くことで求めることができる。
①T3からT1の方向角を求める
Arg(A-C=
②T3からT1の方向角からT3からPの方向角を引く
Ans-Arg(D-C=
βは360°からθを引いて求める。
①βを求める
360-Ans=
以上により,βは309.190…°と求められた。
よって,正解は「2」である。
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