調査士<午前の部>解説ミニ講座 平成25年度 問6~10
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問6<機器の点検(不等距離法)>
不等距離法による標尺読定値の補正を計算する問題である。
位置Bのレベルによる標尺Ⅱの読定値と,位置Aのレベルによる標尺Ⅰの読定値を+にし,位置Bのレベルによる標尺Ⅰの読定値と,位置Aのレベルによる標尺Ⅱの読定値を-にして足し合わせ,1.1をかけることで補正量を計算する。
①補正量を求める
1.222+1.24-1.363-1.109=
Ans×1.1=
求めるべき位置Bのレベルによる標尺Ⅰの読定値に補正量を足し合わせることで,補正後の標尺読定値を計算する。
1.363+Ans=
以上により,補正後の位置Bのレベルによる標尺Ⅰの読定値は1.352と求められた。
よって,正解は「1」である。
問7<観測手簿(水平角)>
観測値から,水平角を計算する問題である。
まずは,「結果」を計算する。
結果は,新点(B)の観測角から基準となる点(A)の観測角を引くことで計算する。
次に,対回ごとに,新点の結果について正反の合計を計算する。この値を「倍角」という。
通常は,秒の単位だけ合計すれば足りる。
さらに,新点の結果について正(r)の結果から反(ℓ)の結果を引く。この値を「較差」という。
最後に,それぞれの対回の組合せごとの「倍角差」と「観測差」を計算する。
「倍角差」は,倍角の最大値から最小値を引くことで求められ,「観測差」は,較差の最大値から最小値を引くことで求められる。
許容値は,問題文から倍角差30″,観測差20″なので,これを満たす組合せは②③のみであるため,これを採用する。
対回番号②③のBの結果は,149°52′22″,149°52′08″,149°52′20″,149°52′30″であるため,これを平均することで最確値を求める。
(ちなみに,「149°52′」までは4つの値で共通であるため,秒単位の計算で足りる。)
以上により,AからBの水平角は,149°52′20″と求められた。
よって,正解は「4」である。
問8<逆計算>
逆計算により,座標値を求める問題である。
なお,∠Tが明らかなため,正弦定理を使用しても解ける。
まずは,A点とB点をそれぞれメモリ「A」と「B」に記憶させる。
①A点をAに記憶させる
200+180i→A
②B点をBに記憶させる
225.21+225.48i→B
A点,B点及びC点をつなぐ三角形と見た場合,辺長BCと辺長ACは問題文の通りであるが,辺長ABが不明なため,ABの点間距離でこれを求めて「x」に記憶させる。辺長BCと辺長ACの値も余弦定理で使用するため,それぞれ「y」と「M」に記憶させておく。
③AとBの点間距離を求め,xに記憶させる
Abs(A-B→x
④辺長BCをyに記憶させる
44.1→y
⑤辺長ACをMに記憶させる
41.24→M
メモリ名で余弦定理の図を書くと,以下のようになる。
アークコサインを使用し,上の式を解く。
⑥3辺の長さが既知の三角形の内角θを求めて,Cに記憶させる
x2+M2-y2=
Ans÷(2xM=
cos-1(Ans→C
最後に,AからBの方向角にθを加えて41.24m移動した点を求めることで,Cの座標値を計算する。
①AからBの方向角を求める
Arg(B-A=
②方向角と距離で座標を出す
A+41.24∠(Ans+C=
以上により,C点の座標値は,X座標181.920…Y座標217.065…と求められた。
よって,正解は「1」である。
問9<コンパス法によるトラバース調整>
問題の図にあるE点からA点までの観測角と距離から,観測されたA点(AD)の座標値を求める。
まずは,E点とD点を,それぞれメモリ「E]と「D」に記憶させる
①E点をEに記憶させる
-6.03+5.92i→E
①D点をDに記憶させる
.18+16.7→D
③Eから方向角と距離でADの座標を出し,Aに記憶させる
E+8.52∠315°31°23°→A
A点の座標値からADの座標値を引くことで,補正量を求める。
④補正量を求める
0-A=
コンパス法では各辺長で調整することとなるため。補正量を観測辺長の合計で割り,それに求める観測点(D)までの辺長の合計をかけて調整誤差を計算する。その調整誤差を観測結果に足すことで,最確値を求めることができる。
⑤コンパス法による閉合調整をする
Ans÷(8.2+8.09+9.77+12.44+8.52)×(8.2+8.09+9.77)=
⑥Dを調整する
Ans+D=
以上により,調整後のD点の座標値は,X座標0.152…Y座標16.727…と求められた。
よって,正解は「2」である。
問10<座標計算>
問題文に「取付観測をすることなく」とあるため,方向角ABを使った放射計算をすることができない。
そのため,距離AT1とT1Cを用いた逆計算により座標値を求めることになる。
まずは,A点とC点をそれぞれメモリ「A」と「C」に記憶させる。
①A点をAに記憶させる
500+500i→A
②C点をCに記憶させる
506+585i→C
A点,C点及びT1をつなぐ三角形と見た場合,辺長AT1と辺長T1Cは問題文の通りであるが,辺長ACが不明なため,ACの点間距離でこれを求めて「M」に記憶させる。辺長AT1と辺長T1Cの値も余弦定理で使用するため,それぞれ「x」と「y」に記憶させておく。
③AとCの点間距離を求め,Mに記憶させる
Abs(A-C→M
④辺長AT1をxに記憶させる
50→x
⑤辺長T1CをMに記憶させる
51→y
メモリ名で余弦定理の図を書くと,以下のようになる。
アークコサインを使用し,上の式を解く。
⑥3辺の長さが既知の三角形の内角θを求めて,Dに記憶させる
x2+M2-y2=
Ans÷(2xM=
cos-1(Ans→D
最後に,AからCの方向角からθを引いて50m移動した点を求めることで,T1の座標値を計算する。
①AからCの方向角を求める
Arg(C-A=
②方向角と距離で座標を出す
A+50∠(Ans-D=
以上により,T1点の座標値は,X座標530 Y座標540と求められた。
よって,正解は「2」である。